宝蔵院 胤栄 (1521〜1607)

興福寺塔頭宝蔵院主。槍術家。
中御門胤永の子。
天文22年(1553)頃、天真正伝香取神道流・大西木春見に師事して軍法・剣法・長刀・長巻・槍法・棒術など武芸全般を学んだ。
永禄6年(1563)、柳生宗厳の薦めで上泉信綱にも師事して新陰流剣術を学んだ。
他にも富田与左衛門の慈恩流や高観流の直槍術や大膳太夫盛忠の槍術などを学んで工夫を凝らし、鎌槍を主とする宝蔵院流槍術の基本を作った。
後、武の道を胤舜に任せて僧の道に専念し、元亀元年(1570)に権律師、天正2年(1574)に律師、天正5年(1577)には権少僧都に昇進した。
慶長12年(1607)8月26日、没。
門人に胤舜・高田又兵衛・中村尚政・可児才蔵・金春七郎氏勝など。