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想い出の彼方 バナー

 分をわきまえた構成要素、嫌みのないシナリオ、よく整えられた文章、どれをとっても一級品。
 磨きに磨き抜かれた極上の一品だと感じました。
 ただ、逆に言えば「臭みを消したがためにインパクトを失い話題になりそこねた名作」なのかもしれません。
 綺麗に完成しすぎているため地味で小粒な感じのする作品ですが、何はともあれ葉耶香シナリオは「良し!」です。
 とりあえず、自分でも「なんでこんなに気に入っているんだ?」と不思議に思うぐらい大好きな作品です。

<作品紹介>
 対応OS …… Windows95/98
 メーカー …… PL+US
 スタイル …… ノベル形式AVG(18禁)
 ジャンル …… 幻想恋愛物
 音声 …… フルボイス
 音楽 …… CD−DA(25曲)
 原画 …… とーかい林檎
 シナリオ …… 青山拓也, 田代裕
 機能 …… テキスト戻し可能・スキップ可能・CG鑑賞あり・音楽鑑賞あり
 プレイ時間 …… 約3時間/一人

<物語>
 楽しかった日々、忘れられない暖かな記憶。
 胸が締め付けられるような、冷たい記憶。
 過ぎ去ってしまった遙かなる過去。
 心の奥底に埋もれ、意識することのない記憶。
 楽しみ、苦しみ、悲しみ、喜び、絶望、憎悪……
 誰しもが持つ想いの堆積。
 それに心を委ねる時、人はノスタルジアに染まり、想いから出るものが心を包み込む。
 五年ぶりに帰郷した故郷。
 そこは、記憶にある街とは違っていた。
 人が五年分の時間を重ねたように、街も同じ分だけの時間を重ねている。
 五年前、俺はここに住んでいた。
 だけど、「ここ」じゃない。
 変わりゆく街並み、色あせていく想い出。
 記憶の奥底に埋もれてしまったこの街で、俺は何を失い、何を取り戻せるのだろうか?

<脚色>
 良い意味で教科書的な展開。
 序盤は随所に伏線を張り巡らせながらも軽快にプレイヤーを引き込み、中盤から急展開、そして終盤で極める。
 萌えを狙った登場人物がいるわけでもなく、派手な演出があるわけでもありません。
 ただひたすら丁寧に丁寧に作り込まれた作品、という印象を受けました。
 特に人物描写が丁寧で、登場人物が「主人公の行動に反応するカラクリ人形」に見えないところが素晴らしいと感じました。
 まさに「良質」という言葉がピッタリの作品だと思います。
 たいそう地味な作りではありますが。

<音声>
 ノベル系ゲームとしては珍しいことだと思うのですが、「音声あり」がプラスに作用しています。
 たいていの作品では聞くに堪えずに途中から「音声なし」にしてしまう私が、最後の最後まで「音声あり」でプレイできました。
 声優さんの演技が実に良く光っている作品だと感じました。
 特に、葉耶香役と美緒役の声優さん2人がムチャクチャ上手い!
 ……と思っていたら、スタッフロールで青山ゆかりさんという方の一人二役だと知ってビックリ。
 水無瀬優は、声優 青山ゆかり さんを応援します。

<音楽効果>
 BGM は CD-DA で演奏されます。
 それぞれの曲は非常に「綺麗」です。
 曲単体として美しいのはもちろん、何より BGM として素晴らしいです。
 高質な音楽を上手に活かした好例だと思います。
 お気に入りはトラック19 "Missing melody" です。

<画像>
 パッケージ絵が作品の雰囲気を代表しています。
 パッケージ絵に惹かれるものがあるならば、この作品に期待を裏切られることはないでしょう。
 立絵とイベント絵とで絵柄の統一感がないような気もしますが、全体的としては物語に良く合っていると思います。

<システム>
 システムに関しても、実に絶妙なバランスだったと思います。
 軽快な画面切替や主張を抑えた表情変化のおかげで、文章を読む作業に没頭することができました。
 目新しい機能があるわけではないのですが、文章を読むシステムとしては至高の一品だと感じました。

<シナリオ構成>
 [たぶん期間限定な追記]
 例のアレが近づいてきた影響か、「結局シナリオは良かったの? 悪かったの?」という方が数名いらっしゃいました。
 断言しましょうツボでした。 メッチャ良いです。 このライターさんなら私は無条件で買いですよ。
 愚痴にも読める下記コメントは、「最高級の御馳走を頂いたけど食べ過ぎちゃってベルトがきつくて少し鬱」という程度のものです。

 この作品では、初めから全てのシナリオを読むことはできません。
 まずは「美緒→葉耶香→ひふみ」の順にシナリオが進み、ひふみシナリオの後に初めて有紀と縁が登場します。
 「美緒→葉耶香」という流れは非常に良かったと思います。
 ただ、「美緒→葉耶香」という秀逸な連携シナリオの後に、それぞれ独立したシナリオが続く構成には違和感を感じました。
 できれば「美緒→葉耶香」の連携シナリオは、本作品の締めくくりとして最後に読ませてほしかったです。
 単体としては後半2シナリオも十分に良いデキなだけに、前半部分から浮いてしまっているのが非常にもったいないと感じました。
 とりあえず、美緒・葉耶香シナリオ以降に辻川さんが出てこない構成は寂しすぎます。

<CAST>
 辻川葉耶香……青山ゆかり
 沢口美緒……青山ゆかり
 高城ひふみ……岩泉まい
 佐伯梓……小嶋千秋
 秋角裕司……関戸浩二
 御笠雛子……季蓮崎みこと
 三嶋広明……関戸浩二
 井上省吾……内野一
 井上朱美……季蓮崎みこと
 多賀佐有紀……小嶋千秋
 多賀佐有美……小嶋千秋
 藤澤緑……宇佐美桃香
 氷川沙里……季蓮崎みこと
 ノクターンのマスター……内野一
 こども……???
 こどもの父……???
 名も無き同級生たち……???

<使用曲名>
 1.Dear Friends
 2.walk by myself
 3.breeze
 4.morning grace
 5.sereny sky
 6.take my hands
 7.summer's day
 8.sunday sunshine
 9.long ago days
 10.little miss
 11.until...
 12.regret
 13.premonition
 14.Tension
 15.endless days
 16.fanatic
 17.incantation
 18.MISSING MELODY
 19.Believe In Me
 20.Smell of Desire
 21.main Theme I
 22.main Theme II
 23.main Theme III
 24.DEPARTURE
 25.DEPARTURE -orgel version-

<関連リンク>
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 青山ゆかり さん


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