前作「扉の外」の続編。
ゲームの基本となる理論こそは変えてあるものの、単純な論理的問題に人間の感情という素材をミックスして単純ではない状況に仕立て上げてあるのは前作と同じです。
臨場感たっぷりに「強烈な不快感」を演出する文章力も健在で、前作を気に入った人ならば今作にも十分に満足できることでしょう。
前作では結末を想像することはできたものの読み切ることまでは難しかったのですが、今作では丁寧に読んでさえいれば過程はともかく結末と勝利への手法は読み切ることができると思います。
それだけ説明過剰になっているともいえますが、それだけ展開が丁寧になったともいえます。
前作を読み終わった時点では "天使" と "女神" が物語の主人公&黒幕なのかなと思っていたのですが、"天使" が主人公かはともかく黒幕でもあるという予想はハズレになりそうですね。
<他に贔屓にしているライトノベル>
時雨沢恵一*(キノの旅, アリソン)
上遠野浩平*(ブギーポップ)
田口仙年堂(吉永さん家のガーゴイル*)
成田良悟(バッカーノ*)
水無瀬 優 postmaster@katsura-kotonoha.sakura.ne.jp
http://katsura-kotonoha.sakura.ne.jp/etc/tobira2.shtml